2021.04.08
脱毛が原因で起きる毛嚢炎とは?治療や予防方法について解説

もくじ
脱毛後の肌、よく見るとニキビのようなできものが……?
実はこれ、ニキビではなく毛嚢炎(もうのうえん)という別の感染症かもしれません。できものは美容やスキンケアの大敵。邪魔なブツブツがお肌に広がっているのは、ストレスのもとですよね。
早く治したいからとつい手持ちの薬を使ってしまいたくなりますが、ニキビではないので当然ニキビの薬は効果がありません。もちろん潰すのは論外!
今回は気になる毛嚢炎について、発生する原因や脱毛との関係、予防法などを解説します。
毛嚢炎ってなんだ?
毛嚢炎は毛包炎(もうほうえん)とも言う細菌感染症の一種。
毛穴の奥で毛根を包んでいる部分「毛包」に細菌が入り込み、感染することで起こります。
毛嚢炎の症状は?
皮膚の表面や内部に膿が溜まり、ニキビとよく似た見た目の小さな赤または白の吹き出物状になって現れます。吹き出物はぽつんと単独でできている場合から、いくつか連なって広範囲にできる場合まで様々です。
軽度であれば痛みやかゆみを感じませんが、重度になると痛みや熱を伴うことがあります。
毛嚢炎と脱毛の関係は?
毛嚢炎について簡単にご説明したところで、続いて脱毛時に起こりやすい理由も確認しましょう。
毛嚢炎の原因は?
ヒトの鼻腔などにいる常在菌「黄色ブドウ球菌」などの菌が、ひっかき傷や刺し傷などから皮膚の中に入り込むことが原因。そのため、脱毛だけでなくカミソリや毛抜きでのムダ毛処理も毛嚢炎につながります。
- 慢性的な皮膚病がある人
- 人混みなど、空気の汚れた環境で過ごすことが多い人
以上のような人は、毛嚢炎のリスクが高いと言えます。
脱毛では皮膚が傷つかないけど…?
医療機関やサロンでの施術であれば、一見表皮には傷がつかないですよね。しかし、レーザー脱毛や光脱毛は、照射して「毛包の発毛組織を破壊する」ことが目的。毛包には毛を作る準備をしたり、毛の元となったり、育成したりする部位や細胞が含まれています。
レーザーや光を照射することでこれらの機能を破壊するのですが、一緒に皮膚のバリア機能も軽いダメージを受けます。このタイミングで雑菌が毛穴に侵入すると、毛嚢炎につながります。
医療用のレーザー脱毛器はサロンの脱毛機器よりも出力が高いため、毛包もダメージを受けやすく毛嚢炎のリスクが高めと言われています。
毛嚢炎とニキビの違いは?
脱毛したお肌にできた毛嚢炎をニキビだと思い込んでしまうと、正しい治療につながりません。そのため、治癒が遅れたり悪化したりと肌トラブルのリスクが高まります。
ここからはニキビについても復習し、毛嚢炎との見分け方についてもチェックしていきましょう。
ニキビはなぜできる?
「毛穴詰まり」「アクネ菌の繁殖」が大きな原因のふたつ。過剰に分泌された皮脂や古くなった角質が毛穴に混ざると、「角栓」が発生して毛穴が詰まります。
この環境で皮脂をエサとする「アクネ菌」が増殖すると、皮膚が細菌に対抗するため炎症を起こして腫れニキビになります。
毛嚢炎とニキビはどう異なる?
- 原因となる細菌の種類
- 菌の侵入経路(傷か毛穴詰まりか)
- 毛嚢炎は感染症、ニキビは皮膚の過剰反応による炎症
ここまでの説明を簡単にまとめると、毛嚢炎とニキビの違いは上記の3つということになります。そもそも性質が異なるので、ニキビの薬を毛嚢炎に使っても効果がないことは一目瞭然ですね。
ニキビと区別がつかない!どうやって見分けるの?
自分で毛嚢炎とニキビを見分けるポイントは、以下の3つ。
- 患部の周りに赤いふちがあるか?
- 中に芯のようなものはあるか?
- 頂点がへこんでいるか?
患部の周りに赤いふちがあるか?
できものの周りが赤く円状に広がっていれば毛嚢炎、赤みがさほど強くなければニキビの可能性があります。
中に芯のようなものはあるか?
ニキビを潰したら芯が出てきた、という経験をした人もいるかと思います。毛嚢炎であればこの芯はありませんから、清潔な手で軽く触って芯のようなものが感じられればニキビと考えられます。
むやみに触りすぎると酷くなる場合もありますので、触るのは確認程度にとどめましょう。
頂点がへこんでいるか?
頂点がぷっくり盛り上がっていればニキビ、膿の溜まったくぼみが見えれば毛嚢炎の可能性があります。
毛嚢炎の治療方法は?
毛嚢炎は軽ければ放置して自然治癒させられますが、悪化してしまうと正しい対処方法で治療をする必要があります。
医療機関の受診がベスト
基本的に抗菌洗浄剤や皮膚に塗る抗菌薬での治療を行います。また、できものの範囲が広い場合は内服薬を処方されることもあります。先ほど毛嚢炎とニキビの見分け方をご説明しましたが、不安であれば皮膚科などできちんと診てもらうのが改善への近道でしょう。
医療脱毛であれば治療がより手軽
医療機関で脱毛の施術してもらっている人であれば、医師が常駐しているため肌トラブルをすぐに診察してもらえます。毛嚢炎はメジャーなトラブルですので、スムーズに診療が進むでしょう。
市販薬を使用してもいいの?
毛嚢炎の状態によりますが、抗菌成分が配合されたステロイド軟膏などを用いて治療できることがあります。購入の際は素人判断で買う種類を決めてしまうのではなく、ドラッグストアの常駐薬剤師などに相談したうえで選ぶのがおすすめ。
毛嚢炎にはできやすい部位がある?
毛嚢炎ができやすい部位には、以下のような特徴があります。
- 皮膚への刺激が多く傷つきやすい
- 蒸れやすく雑菌が繁殖しやすい
- 皮脂の分泌が多い
ここからは、上の条件になぞらえて毛嚢炎ができやすい部位はどこか考えていきましょう。
顔
最も発生例を耳にしやすい部位です。紫外線やマスクなどの外部刺激にさらされやすいことが大きな要因です。男性の肌荒れ悩みが多い場所でもあり、メンズ用シェーバーやカミソリでヒゲを自己処理したら毛嚢炎が広範囲に発生……なんてことも。
目立つ部分でもあるので、病院での治療がベストです。
VIOやおしり
陰部を含むデリケートゾーンの毛嚢炎トラブルも多いようです。蒸れやすいうえに、下着や服の締め付けによる摩擦も多いのが原因。繊細な部位でもあるので、不安であればきちんと医療機関にかかったほうがよいでしょう。
胸や背中
自分ではなかなか気づきにくい背中や胸も、意外と皮脂分泌が多いエリアです。そのほか脇やひざ、ふくらはぎ、太ももなども、毛嚢炎が発生しやすいポイントと言われています。
脱毛後!毛嚢炎を予防するには?
ここからは、クリニックやサロンで脱毛施術をしてもらった後に行っておきたい毛嚢炎の予防ケアについてお話します。丁寧なケアで肌トラブルを対策しましょう。
保湿ケアを念入りに
レーザーや光を照射した後の肌は乾燥しやすくなっています。肌が乾燥すると毛穴周囲はさらにダメージを受けやすくなるため、細菌感染を引き起こしやすくなります。肌の保湿を徹底し、毛嚢炎を生まないアフターケアにつなげましょう。
全身脱毛の場合は時間がかかりますが、リスク減のためなるべく隅々までケアをしたいものですね。
脱毛部位を清潔に保つ
皮膚を清潔に保ち、雑菌を繁殖させないような心掛けも効果的です。雑菌だらけの手で顔などを触ってしまいがちですが、できるだけ肌をキレイに保つためにも控えましょう。
シーツや枕カバーといった寝具やタオルも清潔なものを使い、汗をかいたら肌着や衣類は交換すると効果的です。
まとめ:脱毛後のしっかりケアで毛嚢炎を予防
今回は脱毛時に気になる毛嚢炎について、基礎的な知識をご紹介しました。毛嚢炎のリスクがあると言っても、クリニックやサロンの脱毛はメリットも多い効果的なもの。機会があるならぜひ挑戦してみたいですよね。
効果的な対処法や注意点について理解しておくと、毛嚢炎ができてもあわてず治療に入ることができますよ。心配であれば事前のカウンセリングで相談しておくのもおすすめです。